11・3憲法のつどい ご報告

 日本国憲法公布66年となる11月3日、平和資料館・メモリアルホールで
「広島・沖縄・福島をつなぐもの|と題する憲法のつどいを開いた。
広島県9条の会ネットワークが主催し、ひろしま医療人9条の会が共催した。
会場満杯の320人が参加した。
 つどいは、2編の詩が高橋美香さんの朗読で始まった。
1994年初出で3・11を予告した若松丈太郎さんの「かなしみの土地 神隠しされた樹」
と沖縄の金城美奈さんの「碑(いしじ)に思いを重ねて」。
詩を通して福島や沖縄への思いを深くした。
 記念講演で東大の高橋哲哉きんは、民主党が支持できない、しかし自民党もだめだ、
となると第3極になると戦後最大の危機となる、と政局に対する警鐘を鳴らし、
全国の9条の会の奮起に期待した。
そして、「広島・沖縄・福島をつなぐもの」の共通点は何か,それは”犠牲のシスフム”
であり、政治の転換の必要性を訴えた。
「犠牲のシスヂム」とは、ある人が他人の犠牲の上で利益を得るシステムのこと、と
高橋きんの著書で提唱している。
人々の生活や健康、財産、生命、尊厳、生きる希望が犠牲にされる国家のあり方に
問題がある。
福鳥は核によろ被ばくと、その被害の脅威であり、広島は軍都として発展したが
原爆投下で犠牲を受けた。
沖縄は国体護持のために犠牲にされ、アメリカの戦利品として基地被害が続くが、
これも日本政府が容認している。
広島・沖縄・福島の共通点はアメリカの従属へのもとで犠牲を受ける一方で、
多くの国民が利益を得ているという間題がある。犠性のシステムがあってはならない。
福島県生まれの高橋さんは、これまで原発推進に反対しなかったことを反省しながら、
原発事故の責任について法的責任、政治的責任、倫理的責任が問われるとして
東電や政府の責任追及の必要性を強調した。
また、福島県の行政としての責任にも言及し、いま進められている健康調査が
県民の安命を守ろ視点ではなく、福島県からの人口流失を如何に恐れているかを
示している、と行政のあり方にも問題提起した。
       (広島共同センター 利元克己 記)