平和教育教材

  02、教材研究 「戦前の教科書」(教科書批判のトレーニング教材として)

     尋常小學校國史絵圖(上・5年生用)
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 教科書批判の方法

 教科書批判をするには、やはり一定のトレーニングが必要である。
例えば、「呉の歴史絵本」を読んでも何処に問題点があるか、身近すぎて判断がしづらい点がある。
 しかし、時代が離れ、明らかに判断しやすいもので、批判を繰り返すことで、批評方法が身についてくるものである。
 歴史・地理・道徳の教科書批判をするのに相応しい教材として例示してみた。
1、基本的な視点…平和・民主主義・自由・生活・文化の発展に沿っているか。
2、真実であるか…事実や合理的、科学的な内容や記述がされているか。
3、教材として相応しいか…発達段階に応じた内容選択や教材配列がされているか。
 例えば、歴代天皇の系図を覚えさせられていたが、それをどう考えるか、など。

T、A.尋常小學校國史絵圖(上・下)
 軍国主義の思想的支柱は、皇国史観です。それはまた、「修身」「地理」「国史」の三教科によって支えられていました。
 日露戦争開戦の年から使用された国定教科書は、敗戦にいたるまで国体の尊厳と忠君愛国の精神を高める趣旨で編纂されました。
 国史教科書は、天孫降臨の「神代」にはじまり、以降、その子孫とされた天皇の治績と、天皇に忠誠をつくした人物の働きを中心に書かれていました。
この『國史細則』はその副読本で、子どもたちの視覚をとおして教科書の趣旨を脳裡に刻みつけました。
 しかしこの『細則』は教科書にくらべて高価でしたので、農村部の学校ではあまり使われなかったようです。

 T.A. 尋常小學校國史絵圖(上・5年生用)

    尋常小學校國史絵圖(上・5年生用)全画像

    T.B.尋常小學校國史絵圖(下・6年生用)全画像

U、 教育勅語圖解讀本
 教育勅語は、一八九〇(明治二十三)年十月に発布されました。それは、大日本帝国憲法発布の翌年でした。
 以後、一九四五年の敗戦までの五十五年間、学校教育は教育勅語の趣旨にそって進められました。
 勅語に示された徳目は、修身の教科書で取り上げられ、特定の人物の具体的な業績や言動と結びつけられて、わかりやすく教えられました。
 義務教育最終学年の『高等小學修身巻二』は、全二十七課が教育勅語の遂条解説でした。
 この『圖解讀本』は視覚的補助教材として何冊か教室におかれていました。また、青年学校のテキストとしても使われました。
 1941年、国民学校令が公布されると、中等学校への入試も内申書と口頭試問による選抜となりました。
ここでは教育勅語に示された徳目の質問が多く、この本はその模範解答書として受験生に多く普反されました。

   U、教育勅語圖解讀本全画像

「何を正すべきか」研究批判して、皆さんのご意見やご批判をお寄せください。

   メール宛先 :  呉戦災を記録する会



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