インド洋派兵
  テロ特措法による海上自衛隊の補給実績2
    海自 補給は244億円分

    小池議員に防衛省明かす (新聞 あかはた 2009.9.9. 紹介)

 連立政権協議で大きな論点の一つとなっている海上自衛隊のインド洋派兵で、
海自補給艦が米軍艦船などに補給してきた燃料と水が金額にして
計約243億6500万円に上っていることが8日までに分かりました。
日本共産党の小池晃参院議員に防衛省が明らかにしました。
 同省が小池氏に提出した資料によると、旧テロ特措法に基づく補給活動では、
▽艦船用燃料(補給実施期間2001年12月〜07年10月)が約224億円
▽艦船搭載ヘリコプター用燃料(04年10月〜07年10月)が約5800万円
▽水(同上)が約768万円です。
1日当たりの平均金額は艦舶用燃料で約1千万円、
1ヵ月平均では約3億円となっています。
 また、新テロ特措法に基づく補給活動では、
▽艦船用燃料(08年2月〜09年7月現在)18億8千万円
▽艦船搭載ヘリコプター用燃料(同上)約1600万円
▽水(同上)約360万円です。
1日当たりの平均金額は艦船用燃料で約365万円、
1ヵ月平均では約1億円となっています。
 インド洋での海自による補給活動は、アフガニスタンを中心に米軍などが展開している
「対テロ」戦争を直接・間接に支援するものです。
日本共産党は、多額の国民の血税を注ぎ込む憲法違反の活動は、
直ちに中止すべきだと主張しています。
(しんぶん 赤旗 2009.9.9.)


基地強化許さない
 中四国からの報告D[しんぶん 赤旗 中国四国版 2009年9月6日(日)紹介]
 海自 呉基地
  ソマリア沖に向けて呉基地を出航する護衛艦 2009年3月14日、呉市
  ソマリア沖に2隻派遣
   海外派兵の拠点に


 1991年の湾岸戦争以来、海外派兵があいついでいる海上自衛隊呉基地(広島県呉 市)。
市民の不安と批判にもかかわらず、自衛隊は「海外派遣は通常任務」だとしています。
■□
 「1991年の掃海部隊のペルシャ湾派遣以来、海上自衛隊のなかでも呉基地は海外派兵の先頭をきってきました。
テロ対策特別措置法にもとづきペルシヤ湾に掃海艇を派遣した時期から、
国外での実際の任務を与えられた隊員の国際意識は強まっている。
アラビア海へは呉から補給艦『とわだ』を5回派遣した。
悲壮な思いで送り出すのではなく、それはいつもの通常任務。
補給活動は、相手艦船と30bほどの距離を保って長時間航海しながら補給する」
(2006年3月、当時の基地総監)
 海上幕僚監部が発表した、テロ特措法にもとづくインド洋での協力支援活動の実績によると、
2001年12月1日の活動開始以来の艦艇用燃料補給回数は596回。
呉基地の「とわだ」は178回補給しています。
 2009年3月14日、呉基地から、ソマリア沖の海賊対策として、
「さみだれ」「さなみ」の2隻の護衛艦が派遣されました。
 「非核の呉港を求める会」が呼びかけ、呉兵に反対する声を地市内で派兵反対集会が開かれました。
参加した市民らは「違憲な派兵に反対する声を地域、職場から広げていこう」とデモ行進しました。
■□
 ソマリア沖の海賊は、内乱と貧困が生み出したものです。
08年にソマリア沖で海賊に襲われた船舶は111隻。マラッカ海峡を含む東南アジアの約2倍、全世界の38%を占めます。
 マラッカ海峡からインドネシアにかけて、10年ほど前までは、「海賊天国」といわれた海域でした。
しかし、ここ7、8年でほとんどいなくなりました。
大きな役割を果たしたのが、日本の海上保安庁です。
海上保安庁が提唱し「海賊対策国際会議」(2000年)が開かれ、海賊、テロ情報の共有や2国間の共同訓練、合同パトロールなどの実績を積んできました。
 日本は定期的な巡視船派遣やODA(政府開発援助)による巡視船供与もしています。
04年にはASEANと中国、韓国など16カ国が参加する「アジア海賊対策地域協力協定」も採択されました。
 このような非軍事での海上保安協力は、憲法9条にそったものです。
この経験をソマリア沖に広げることが重要です。
それは、憲法9条を持つ日本の役割です。
  (広島県・呉地区平和委員会 会長 上田博則)
 「しんぶん 赤旗 中国四国版」 2009年9月6日(日)紹介


インド洋での海上自衛隊の給油実績1

インド洋での海上自衛隊の活動の意義  (2005.9.19. しんぶん 赤旗 紹介)

 「海の上の無料ガソリンスタンド」
   インド洋で給油活動をしている海自艦船はこう揶揄されてきました。
 アフガニスタンでの米軍の「対テロ」報復戦争を支援するため2001年12月から始まった給油活動では、
これまでに161億円もの予算が投入され、米軍艦船などに543回・約41万klの燃料を提供してきました(2005.8月末現在)。
 今年8月の給油量は1千klで、最も多かった02年3月(4万kl)と比べて40分の1。
回数も6回にとどまり、最高だった03年5月(32回)の5分の1以下になっています。
 「需要」の激減に伴って、海自艦船の態勢も規模が大幅に縮小されています。
 開始当初は、補給艦2隻・護衛艦3隻の5隻態勢で、米軍などを支援してきました。
しかし、02年12月には補給艦1隻・護衛艦2隻の3隻態勢になり、さらに今年9月からは補給艦1隻・護衛艦1隻の2隻態勢になっています。

 このほか、テロ特措法に基づき航空自衛隊の輸送機が米軍物資などの輸送を実施してきました。
 これまで在日米軍基地間の国内輸送は272回、在日米軍基地とグアムなど海外との間の国外輸送は15回にのぼります(5月16日まで)。
しかし、5月末からの3ヵ月半では国内輸送は10回にすぎず、国外輸送は一度も行っていません。
 インド洋で海自艦船が給油を行っている米軍艦船などは、テロリストの海上移動などを防ぐ「海上阻止作戦」(MIO)を実施しているとされています。
 しかし、作戦の詳細は一切公表されず、何人のテロ容疑者が捕捉されたのかも明らかにされていません。
このため作戦の効果自体が疑問視され、政府・与党内からも「油の垂れ流し」という批判が出ています。

 「国際テロの防止と根絶」という法の趣旨さえ逸脱し、インド洋の海自艦船が米軍のイラク戦争やそれに続く軍事占領を支援してきたことも明るみに出ています。
 02年12月には、イラク戦争の支援を狙いにして海自主力艦のイージス護衛艦を派遣。03年2月には、海自補給艦が米海軍の補給艦を通じイラク戦争に向かう米空母キテホークに間接給油を行いました。
 同年12月には、イラク占領を支援するため、ペルシャ湾に展開した強襲揚陸艦ペリリューなど3隻にも給油しています。

 インド洋への海自派遣部隊が作成した複数の活動報告書のうち、
イラク戦争直前の時期に派遣された第4次部隊の報告書は、「成果」の一つとしてこう書いています。
 「既に(海上自衛隊と)緊密な連携とインターオペラビリティ(相互運用性)を確立した米第 7 艦隊ではなく、
(中東担当の)第 5 艦隊との間で作戦上の相互依存関係を深めたことは、日米同盟の更なる深化に寄与した」とし、
地球規模で展開する米軍との一体化を図り、「日米同盟」をさらに「深化」させている。



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